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チーク

【チークのFA】ベージュをのせたはずなのに、透明感が肌にのる怪現象 ローラメルシエ チャイ

チーク

 

ベージュのチークが嫌いだった。
鮮烈ではない色にお金を出すという概念が
しっくりきていなかったし、なんなら一生来なくていいくらいに思っていた。
”しっくり”よ、来てくれるな。永遠に。

そんな折、私はある記事を見つけた。
男性受けの権化のような職業の方のブログだった。

「男性は、わかりやすい女性が好き。
若くなくとも、ぱっきりしたピンクのチークをしっかり塗ろう」

天啓か、と思った。
ひらたく言うと、私は、鮮やかな発色をするピンクのチークをつける言い訳をゲットしたのである。
このときすすめられていたのが、コフレドールのスマイルアップチークス 01のピンクだ。
ちなみにリニューアルされて今は売っていない。

これは、とても発色のいい問答無用のTHEピンクで
コスメに華やかさと楽しさを求める私にとっては
好きになるなというほうが難しい一品だった。

このときの私は、メイクにおいて楽しさなど、
さほど意味がないということをまだ知らない。

私の年齢では、確かに若すぎる色かもしれない。

でもいいのだ。

なんてったって、男性受けの権化みたいな職業の方が
これを塗れと言っている。
わかるように、との注釈までついている。

浮いてたってかまわないということだ。
ビバ! ラ! ピンク! (叫んだだけ)

私はしばらく、まぶしい発色のピンクチークを楽しんだ。

しかし、コフレドールのピンクと私の蜜月は突然終わりを告げる。

幕を引いてくれたのはヒツコスさん。

「メイクしていい?」

ある日、こんなご提案を頂いたのだ。

自粛前のことです。

私は食い気味に「むしろいいんですか!」と身を乗り出し、
ヒツコスさんにメイクをして頂くことになりました。
いいことってあるものです。

そのときに選んで頂いたのが、今回のFAアイテムである
ローラメルシエのチャイ。

 

知ってる。名前めっちゃ知ってる~。
でも実物を見たのは初めてでした。
ローラさんとこのチャイと見つめ合う。

ベージュ。
見事なベージュ。
めっちゃくちゃベージュ。
ベージュやねえ…。

ローラメルシエチャイを目の前にして「ベージュですね」としか言えない私。

ベージュだよ。

初めてのベージュにどきどきしながら肌にのせる。

大丈夫? 30代後半がベージュとか、余計30代後半に拍車がかかるんやないの?

でもびっくり。

透明感ーーーー!!!

透明感が足されているぅぅぅぅぅ!!!!

え!? ベージュ足したのに、透明感が肌にのるの!?
チャイだよ!?
なんなら茶なわけで。

どういう現象ーーーー!!!???!!

そもそも透明感って、肌にのるものだっけ????

思い起こせば、色を肌にのせて、透明感を実感したのは、ワトゥサの青みピンクのネイルを
塗ったときだ。

私のパーソナルカラーはサマーで、さらにイエベとブルベが49:51くらいと非常に診断しづらい色だったので、
コスメを覚えたての当時の私はネイルの色選びに難航していた。

一般的に透明感が出ると言われる色を塗っても、どうしてもくすんでしまうのだ。

困り果てた私は、なんの気なく、青いラメが入っているワトゥサの青みピンクのネイルを塗ってみた。
肌なじみカラーがなじまないのなら、いっそこの派手なカラーを塗ってみてはどうかという反逆に似た気持ちがあったのだ。
しかし、一見トリッキーに見えたカラーだったが、しっかりと手に馴染み、肌のくすみが一掃されたのだ。

思い起こせば、そのときの強烈な成功体験が、私に青みピンクを妄信させ続けたのだと思う。

それは正しい知識ではあったが、私は青みピンクを乗せることが、キレイになることだという思い違いも
同時にしてしまった。

キレイになれたら青みピンクでなくともいいのだ。
目的は青みピンクを肌にのせることではない。
キレイになることだ。

似合うチークを見つけるには、とにかく自分の肌色と合う色を見つけることが肝要になってくるが
チャイは一般的にはスプリングさんに似合う色とされている。

私のパーソナルカラーは第1はサマーなのだが、第2スプリングなので、
チャイが似合ったという見方もできると思う。

しかしロラーメルシェ チャイは、わずかにグレーが入っていて
それでいてモーヴも感じる色味だ。
スプリング一辺倒なカラーではない。

私がサマーとスプリングだから似合ったのではなく
そもそもチャイが、スプリングとサマーをまたいでいるのだ。

ローラメルシエ チャイは、とんでもない進化を遂げたベージュだったのだ。

大好きなコフレドールよりも遥かにいい仕事をしていた。

「やっぱり! チャイ似合うと思った!」
ヒツコスさんは笑みを浮かべなすった。

さらに、コフレドールも、チャイと重ねて使えば、全然OKとのアドバイスも頂きました。

コフレドールの復活…!

チークにベージュを取り入れる。
それは”失速”などではない。
本来ベージュはおしゃれな色なのだ。

私自身、抜け感メイクや、あか抜けたメイクに憧れて

何度かベージュに挑戦したことはある。

しかしそのたびに事故ってしまっていた。

ブルーベースさんがベージュメイクで事故ってしまうのは比較的よくあることらしい。

そもそものセンスがない私が事故らないはずがなかった。

さらに雑誌などで特集される「大人になったらベージュを使おう」といったページを見て

「大人になったら、事故ってまでベージュを使わなければならないのか」

と恐怖したのだ。

今思えば、事故に対して持つべき恐怖を、ベージュに持ってしまっていたのだ。

ベージュに申し訳ないことをしてしまった。

もちろん、ピンク全般がいけないのではない。

むしろありだ。一生ピンクは使っていい。

使い方と選び方をアップデートしていく必要があるというだけだ。

また、私は、ベージュに抵抗が強すぎた。

大人もピンクを使っていいし、大人だからベージュを使わないといけないわけではない。

似合うピンクを見つけること。

似合う色なら取り入れていくこと。

これは大人ではなくても、いつだって大事なことなのだ。

BC(Before Chai)の私は、
手に取って楽しい鮮やかなコスメを顔にのせるのが楽しかった。

でも、それはメイクの本来の力ではない。

顔の上に、美しい色が足されたことで、ときめく胸。
こんな小手先の楽しさは、自分自身がキレイになったときの感動に比べたら
遊びですらなかったのだ。

自分の年齢と肌に合う色をのせると、「メイクをした顔」になるのではなく
「キレイな顔」になるという事象が起きるのが
そもそもコスメという存在なのだ。

昔のベージュなら、青み優勢の肌をくすませてしまっていたかもしれない。
けれど、今はコスメもしっかり進化してくれている。
安心して落ち着いていい。

それを改めて教えてくれたローラメルシエ チャイ。
私のFAチークだ。

ローラメルシエ チャイに目をやる。
やっぱりめちゃくちゃベージュで、ときめきにカスりもしない。

でも、ローラメルシエ チャイをつけた自分。
こちらにはいつもときめいている。

目の仇にしてしまったことを猛省だ。