栗きんとんのFAを見つけるために岐阜の栗きんとん7種を食べ比べてみた
こんにちは。ほとりです。
わたしは現在、食欲の秋まっさかりです。
秋の味覚というとさまざまなものが挙げられますが、中でも「栗」はその代表選手ですよね!
栗を使ったスイーツといえば、モンブランやマロングラッセなど、いろいろ思い浮かぶと思います。
しかし、わが地元・岐阜県においては、秋を代表する味覚といったら「栗きんとん」一択なのです!(※個人の感想です)
そこで今回は、数ある栗きんとんの中からファイナルアンサーを見つけるべく、7種類の栗きんとんを食べ比べてみました!
ご自身のご褒美やお世話になっている方へのお土産の参考にしていただければ幸いです。
岐阜の秋限定スイーツ「栗きんとん」
実は2種類ある「栗きんとん」
一般的に「栗きんとん」というと、おせち料理の一品を連想される方が多いと思います。
けれども、今回ご紹介するのは、それとは違うほうの栗きんとんです。
おせち料理でおなじみの栗きんとんは、栗とサツマイモをトロトロになるまで甘く煮て、混ぜ合わせたものです。
一方、今回ご紹介する栗きんとんは、栗をゆでて裏ごししたものに少量の砂糖を合わせて弱火で練り、それを茶巾で絞って形を整えたお菓子なのです。
※写真出典:農林水産省Webサイト「うちの郷土料理」栗きんとん より
栗きんとんは地元・岐阜県においては、秋限定の銘菓としてとても有名です。どれぐらい有名かというと、毎年栗のシーズンに入ると、この味を求めて週末には県内外から多くの観光客が詰めかけ、普段はあまり混むことがない中央自動車道が「栗きんとん渋滞」を起こすほどなのです。
長い歴史を持つ「栗きんとん」
栗きんとんの起源は江戸時代にまでさかのぼります。古くから中山道の宿場町として栄えてきた中津川市とその周辺地域は山栗の産地であり、栗を使った料理や菓子が多く作られてきました。そんな、街道を通る旅人をもてなすために、栗をゆでて裏ごしし、布巾で絞って作りあげたお菓子を提供したのが「栗きんとん」の始まりだといわれています。
さらに江戸時代後期になると俳諧が盛んになり、人々がお茶会を開く機会が増えていきました。そうした席で提供されるお茶菓子として、「栗きんとん」をはじめとした栗菓子が発展していったそうです。
栄養たっぷりな「栗きんとん」
昔から栗は、滋養強壮によい食べ物として知られてきました。そんな栗には以下のような栄養素が含まれているんです。
- ビタミンB1:糖質やアミノ酸の代謝をサポートする
- タンニン:老化やガン予防につながる抗酸化作用がある
- ビタミンC:さまざまな肌トラブルのケアをしてくれる
- 食物繊維:便秘解消や腸内環境の整備をサポートする
- カリウム:体内にたまった老廃物や水分を排出するのを助ける
栗を丸ごと使う栗きんとんは、栗が持つ栄養を余すところなく摂取できます。
おいしく食べられて、健康や美容もサポートしてくれるなんて、最高ですね!
ただし、栗きんとんは保存料を一切使用していないため、賞味期限が製造から3日以内と、かなり短めです。
なるべく早く食べ切るのがよいでしょう。
7種類の栗きんとんを食べ比べてみた
秋のこの時期、栗きんとんの発祥の地であると言われる中津川市内では、地元の和菓子屋がそれぞれオリジナルの栗きんとんを製造&販売してます。
そんな中、多くの栗きんとんが販売されているのがJR中津川駅のそばにあるにぎわい特産館です。
直接現地に行くことができなくても、にぎわい特産館のオンラインショップを利用すれば、栗きんとんをはじめとした中津川の特産品が自由にお取り寄せできるんです。
なかでも注目すべきは、栗きんとん味めぐりセット。
市内7店舗で販売されている栗きんとんとお茶がセットになっており、各店こだわりの味をまとめて食べ比べできるんですよ。
わたしは今回、この「中津川栗きんとん味めぐり」から「風流」コースをお取り寄せしてみました。
オシャレな箱の中に、7種類の栗きんとんが個別のプラスチックケースに入って納められています。
それでは、7つのお店のオリジナル栗きんとんを順番にご紹介していきますね。
食事を1回抜いて臨んだ(カロリーが気になるから)栗きんとん食べ比べの結果とは?
※味についての感想は、あくまでもわたし個人の主観です。
①川上屋
栗きんとん 川上屋 -栗きんとん発祥の地・中津川- 御菓子処 川上屋本店
栗再現度 ☆☆
甘さ度 ☆☆☆
1864年創業の老舗和菓子店として全国的に知られています。
こちらのお店の栗きんとんを蒸し羊羹で包んだ「さゝめさゝ栗」は、2023年10月24日に放映されたTBS系バラエティー番組『マツコの知らない世界』の中でも紹介されました。
栗の粒は小さめで、しっとりとした舌ざわりが印象的です。
濃厚で甘味が強いため、渋めのお茶とよく合いました。
②御菓子所 しん
中津川の御菓子所しん・つちや商店|中津川の和菓子屋は御菓子所しん
栗再現度 ☆☆☆
甘さ度 ☆
1928年に創業されたつちや商店の和菓子部門です。夏にはかき氷も提供しています。
こちらは全体にやや細かい栗の粒が残っています。甘味は控えめで、その分、栗本来の風味がよく味わえました。
③美濃屋
栗再現度 ☆☆☆
甘さ度 ☆☆
1899年に初代店主が興したせんべい屋がはじまりであり、2代目の店主が和菓子製造を始めました。栗きんとんのほかに、栗きんつばや木守柿なども製造しています。
こちらは栗の粒が多めに残っており、舌の上でツブツブの食感を楽しむことができました。
④御菓子司 恵那福堂
栗再現度 ☆☆☆
甘さ度 ☆☆
1930年に創業されたお店です。
こちらのお店の「栗粉餅」は、2023年10月24日に放映されたTBS系バラエティー番組『マツコの知らない世界』の中でも紹介されました。
こちらは大きくてどっしりしたフォルムであり、表面には調理時についた茶巾の跡がうっすらと残っていました。なめらかで舌触りがよく、栗本来の風味が強く感じられました。
⑤柿の木
【楽天市場】栗きんとんをはじめとした昔ながらの手作り和菓子をお届けします。:和洋菓子の店 柿の木
栗再現度 ☆
甘さ度 ☆☆
店名は、200年以上もの間、岩山の上に鎮座しているという地元中津川の五百羅柿(ごひゃくらがき)の木にちなんで名づけられました。栗きんとんを葛で包んだ「葛きんとん 栗本」なども人気です。
こちらはプラスチックケースに収まりきれないほど、大きくどっしりしています。
全体的に粒が少なく、なめらかな舌触りでした。
⑥やまつ
栗再現度 ☆
甘さ度 ☆☆☆
1866年に創業されたお店です。
「菊牛蒡漬」や「栗納豆」をはじめとした栗菓子を家族経営で製造しています。
特に「菊牛蒡漬」は元祖とされています。
こちらは全体的になめらかではありますが、小さな栗の粒も残されています。
他のものに比べると、砂糖の甘味が強い印象を受けました。
⑦信玄堂
栗再現度 ☆☆
甘さ度 ☆☆
1934年に創業されたお店です。「水彩きんとん」「栗まんじゅう」といった伝統的栗スイーツにくわえ、栗きんとんショコラなどの製造販売も行っています。
こちらは全体的に甘さが控えめで、栗本来の風味がバランスよく感じられます。舌触りはなめらかで口のなかでほろりと溶けていきました。
おいしいお茶も欠かせない
この味めぐりセットには、お茶の葉もついていました。これは栗きんとんに合うように特別に作られた「栗きんとん専用茶」なのだそうです。抹茶と茎茶が絶妙なバランスでブレンドされており、ほのかな渋みが栗の甘みをよりいっそう引き立ててくれました。
ほとりの「栗きんとんFA」は?
7種類の栗きんとんを食べ比べた結果、わたしのFAは…
「美濃屋」の栗きんとんでした!
これは完全に個人の好みの問題だとは思いますが、栗好きとしては、栗本来の風味が強く感じられ、大きな栗の粒が口の中でコロコロしていた点が大きかったですね。
でも、本音を言うとどこのお店の栗きんとんも本当においしくて、1つに絞るのにめちゃくちゃ苦労しました。
なお、中津川市内には、今回ご紹介した以外にも多くの栗きんとんのお店があります。
さらに地元の方の話によれば、同じお店であっても、栗の成熟度が異なる初秋と晩秋では味にさらなる違いが出てくるのだそうです。となると、これはもう、実際に味わっていただき、あなただけのFAを選んでいただくしかないでしょう!
毎年この時期にしか食べられない期間限定の味、栗きんとん。ほとんどの店では9月から12月初旬までしか販売していないので、気になるかたは、ぜひお早めに味わってみてくださいね。