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ウマい!早い!アツい!テンポ抜群のタイムパラドックスSF映画3選

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こんにちは、ハチです。
突然ですが、映画やドラマの苦手ジャンルってありますか?

私はSFが苦手なんですよね〜〜〜。
機械とか宇宙とか未来とか、難しくってイマイチ没入できません。
「ん? なんだって??」って思ってる間に進んでっちゃって置いてけぼり。
見たら見たでオモシレー!って興奮することもあるんですが、まず自ら進んで選ばないジャンルです。

「タイムリープ=まどろっこしい」の固定概念が覆された!

現代では、タイムループとかタイムリープ系のSF作品はお腹いっぱいかと思いきや、新しい着眼点のタイムループものが次々と誕生している様子!!
しかし私はあまり通ってきていないので新しい着眼点ってのがイマイチ分かっておりません。
私の中で一番印象深いタイムループ系の作品といえば、15年ほど前に放送されたアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」のエンドレスエイトという話。
夏休みの数日間が1万5,000回以上ループするという設定で、なんと8話連続でほぼ同じ様な展開を流し続けたんですよ!!!!
ヒエーー! 正気じゃない!! ショート動画やファスト〇〇が流行っている今ではますます考えられない手法!!

当時はニコニコ動画や2ちゃんでワイワイ実況しながら盛り上がり、「今回もまたやんの!? もう勘弁してくれよー!」とループに陥るうんざり感を疑似体験できたのでそれはそれで楽しかったのですが、ループ物といえば展開が遅いというイメージになり苦手意識が芽生えたのでした。

こうしてうっすらタイムリープ・ループに苦手意識のある私ですが、今回の3作品を見たら

固定概念が覆されました!!

みんな勘が良くて話が早い。そうそう、そうなの、ループしてんのよあんたたち!!早々に分かってくれてありがとね!!と見ている私が感謝したくなるぐらい。
話がウマい!展開が早い!アツい!

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない

曜日の朝。プレゼン資料の準備で忙しい中、主人公が後輩2人組から「僕たち、同じ一週間を繰り返しています!」と報告を受けるシーンからこの物語は始まります。小さなオフィスで起きた、”社員全員タイムループ”。
ひとり、またひとりと、タイムループの中に閉じ込められているのを確信していきます。
「もう仕事なんて放り出してしまいたい」「新しいスキルを身につける、いい機会かも?」「仕事をうまくいくまで繰り返して、最高の状態で転職してやる!」
それぞれの様々な思惑が交錯しながら、繰り返される地獄の一週間。
しかし、タイムループ脱出の鍵を握る肝心の部長は、いつまで経っても気づいてくれなくて……。
引用:https://mondays-cinema.com/

私のようにまどろっこしいのが苦手な人には、コレ進めるしかないっしょ!!
タイトル通り上司にループを気付かせようと奮闘する物語なんですが、過程もストーリーもおもしろいからタイトルでネタバレしてても見入っちゃう!!!!

テンポがいいし、とにかくシャレオツ!!!!!!
だいぶ序盤で「タイムリープはテンポが悪い」という思い込みが払拭されました。
ええっ!!今のタイムループものってこんなにトントンと進んでいくのかい!?!?と引き付けられてからはもうスルスルスル〜〜っと進んでいきます。気持ちいい〜〜!!

というか、演出がめっちゃおしゃれだしBGMも良い。ストーリーだけじゃなく映像のテンポが良いから大きな展開がある前に飽きることもありません。
ずっとMV見てんのかと思ったぐらいシャレオツです。

ループ物の見どころといえば、どう気が付くか、何が原因か、どう終わらせるかとどれもこれも欠かせない部分だと思いますが、気付いていく過程も原因を突き止めて解決する流れもちゃんっっっとぜーーーんぶアツい。
特に私が苦手とするタイムループに気が付く過程、これがかなりおもしろかった!!!!
あり得ない状況に慣れる・気が付く過程のまどろっこしさを逆手に取った展開!!

そして普通にお仕事映画としてグっときた……。
私は昔、広告代理店ではないですが似たような規模感で似たような雰囲気の会社に勤めていたもんだから、なんだか室内の匂いまで蘇ってきちゃって既視感でクラクラしました……。とまぁ特殊な共感ポイントはさて置き、同じ様な職場で働いたことない人ももちろん楽しめます。

映画のように激務な日々をループしたら「こんな一週間繰り返し続けるなんて最悪だ!!」って絶望するだろうし「何を頑張ってるんだろう?」「仕事してる意味ってなんだっけ?」って虚無ること間違いなし。みんなよく狂わずにループしながら仕事してられるよ……。
いやいや、現実だって同じ様な日々を繰り返してループしてるようなもんだし、「何のために頑張ってるんだっけ?」って見失うこともある。大いにある。
「ループしてないからわかんねーよ」じゃないんです。ループしてなくたって共感しちゃう!!
結構ギャグに振っていたので気を抜いていたけど、アツい展開でまんまと泣きました。

82分という短い時間でサクサク小気味よく進むのに、いい映画見たなぁ!ってしっかり満たされました。

ドロステのはてで僕ら

居ビルにあるカフェで起こった、SFめいた事象。
テレビとテレビが「時間的ハウリング」を引き起こし、2分前と2分後がつながった。
襲いかかる未来、抗えない整合性。
ドロステのはてで僕らは ――。
https://www.europe-kikaku.com/droste/index.html

劇団「ヨーロッパ企画」が制作した映画です。

時間の仕掛けがおもしろすぎるーーーー!!!!! 痛快も痛快ーーーーー!!!!
初っ端から「これこれ、映画にはこういう脳がビビビ!っと刺激されるような体験を求めてるのよーー!!」とテンションが上がりました。
何がそんなにおもしろいって、めっちゃギミックが効いててんもーーーアイディアで勝ち確!!
2分の時間軸が組み合わさって話が進んでいくのですが、ちょっとばかし入り組んでて「何言ってんだ!! わかんねえ!!」の連続だったけど、難しいから見るのやめようとはならず、流れるような展開にのめり込んでいくんですね。
「ん? これってどういう仕掛け!?」と考えてる間にグングン進んでいく。
でもねー、置いてけぼりにはならないのがまーーーすごい!!!!

前にノーランの中でも最高難易度と言われるタイムサスペンス物のテネットを見たのですが、物の見事に思い出せません。どんな話だったかすら思い出せない!
うっすらところどころのシーンはおもしろかったような記憶があるんですが、とにかく難しかった!!
置いてけぼりもいいとこ。多分私、ずっと宇宙猫みたいな顔して見てた。

でも、「ドロステのはてで僕ら」は大丈夫!! 詳しい理論は後回し。とにかくライブ感を楽しんでほしい!!
コメディタッチで笑えるし、分からなさ加減が絶妙で「えっ! 待って(笑)なになに(笑)今何がどうなってんの(笑)」って思わず吹き出しながら楽しめる。
理解はできないけど辻褄は合っている気がする。知らんけど。って感じで、余計な部分に引っかかる要素が少なかったからなのではないでしょうか。

またすごいのが、この入り組んだ内容なのにワンカット風な映像なんです!!
後で知ったのですが、最大15分の長回しを組み合わせているらしい。
テレビを使うので、映像と生の人間の演技のタイミングを合わせないといけないのですが、これどうやって撮ってんのー!?すごいー!!って興奮もある。
やっぱりワンカット風の映像ってワクワクしますよね。やっぱりとか言いつつ、カメラを止めるなぐらいしか思い浮かばないんですが。

時間の仕掛け+映像のおもしろさもあってめちゃくちゃ楽しめました!! 見終わった直後に見返すぐらいにはお気に入り!!

リバー、流れないでよ

舞台は、京都・貴船の老舗料理旅館「ふじや」。
静かな冬の貴船。ふじやで働く仲居のミコトは、別館裏の貴船川のほとりに佇んでいたところを女将に呼ばれ仕事へと戻る。
だが2分後、なぜか再び先ほどと同じく貴船川を前にしている。
「・・・・?」
ミコトだけではない、番頭や仲居、料理人、宿泊客たちはみな異変を感じ始めた。
ずっと熱くならない熱燗。なくならない〆の雑炊。永遠に出られない風呂場。自分たちが「ループ」しているのだ。しかもちょうど2分間!
https://www.europe-kikaku.com/river/

ドロステと同じく、劇団「ヨーロッパ企画」が制作した映画です。
しかも、またタイムパラドックスるのが2分!!!!!!
同じ2分でもこちらはループものなので、置いていかれることはありません。いやー分かりやすい。

まず、ループに気が付くのが爆速なんですよ。ループ物史上一二を争う早さなのでは?? まぁなんてったって全員ループ前の記憶が残ってるし、たった2分前のスタートだから「あれ!? おかしいな!?!?」って即気が付きます。
気付いてからジワジワ確信に変わっていくのが、もーー笑える! このプチパニック感がたまらない! 3作品とも舞台が限られているけど、リバーは登場人物が多い分一番ワチャワチャ感があって楽しかったー!

しかし、2分のループという設定。見る前は一体で2分で何ができるんだよ!と思ったけど、意外と色々できるのねーと感心ました。
でも2分を繰り返すってウンザリ度でいったらかなりレベル高くないでしょうか。全部は記憶残ってるし、「またかー!」と落ち込む回数が多くなるし!!
いや、もしかしたらMONDAYSのように1週間ループする方が労力がかかってるから、絶望感が強いかもしれない……。えっどっちの方が大変なんだろう……って100%経験できない設定を本気で悩んでしまった!

話は戻って、2分ずつジワジワと進んでいくけど、全く同じ2分を繰り返し続けるわけじゃないから「次のループでは一体何が!?」ってテンポよく見られます。
長すぎず短すぎず、2分を生かした展開もあってこの時間感覚は画期的!

ドタバタ感やヒヤっとする展開はありつつ、SFにしては珍しい(よね!?)落ち着いた雰囲気だし、雪が降る冬の京都はすこぶる風情があるし……3作品の中では一番まったり楽しめました。
てか、冬の京都なんてみんな好きでしょーー!! こんなのーー!! ずるい!!!

ドロステでもリバーでもSFらしさがあり、ある部分では無理やり整合性をとらない愛嬌もあって肩の力を抜いて見られる作品です!

さて、これを機にタイムパラドックスSF作品にも手を出してみようと思います。
ますは手始めにヨーロッパ企画の舞台が映画化したサマータイムマシン・ブルースとか有名どころを攻めていきたい。そしてタイムパラドックス脳を鍛えて、改めてテネットに再チャレンジします!