どうしよう?わが子の読書感想文 ママライターが実践した サポート術とは?
こんにちは。ほとりです。
子どもの夏休みの課題は、親にとっても実に頭の痛い問題です。
なかでも読書感想文は、まさに「夏のラスボス」ともいえるものでしょう。
わたしもかつて、子を持つ親の一人として、
「やっとひらがなを覚えたばかりの小学1年生に、いきなり1200字(※学校による)の読書感想文を書かせるなんて、ムリゲーじゃない?」
と頭を抱えたものです。
けれども、仮にも文章を生業としているライターのはしくれとしては、なんとかこのミッションを達成せねばならない。
そこで、自分の仕事をそっちのけで親子で奮闘した結果、どうにか期限内に提出することができました。さらに、なんとその感想文がクラス代表に選ばれるというおまけもついてきたのです。
ここでは、当時小学1年生だったわが子が読書感想文を書くにあたって、親としてどのようにサポートしたかを書いていきます。なお、お子さんによって個性や適性はそれぞれ異なりますので、あくまでも「こういうやり方もあるよ」という一例として読んでくださいね。
前提:そもそも子どもたちは感想文の書き方を教わっていない
まず前提として、実は子どもたちの多くは、学校で読書感想文の書き方について教えられていないんだそうです。なぜなら、文部科学省が定める学習指導要領に「読書感想文を書きなさい」とは一言も書いていないから。そういえば、私自身も学校で感想文の具体的な書き方を教えてもらった記憶は全くないですね。
ましてや、ようやくひらがなを覚えたばかりの小学1年生に、何百字もの感想文を書けなんていうのはまさにムチャ振り。それだけに、どうしても誰かのサポートが必要となってくるでしょう。
なお、知人のあるパパは、
「うちの子は、今の段階では自分の力だけで感想文を書くのは難しいだろう」
と思い、担任の先生に相談されたそうです。すると先生は、
「学校としてはお子さんの実施した分が10%でも、本人が頑張ってくれたのであればそれで大丈夫です」
と言ってくださったとか。不安な方は、前もって学校側に相談してみるのもよいかもしれませんね。
ここからは、うちの子が小学1年生のときに、親子で取り組んだ内容を紹介していきます。
ステップ①:課題図書にこだわらず子どもが興味を持つ本を選ぶ
「読書感想文を書くためには、課題図書を読まなきゃ!」
夏になると本屋の店頭には「読書感想文コーナー」なるものが設置され、各学年ごとの課題図書がずらっと並びます。また、図書館で課題図書を借りようとしても、「予約で2ヵ月待ちです」なんてことはザラです。
けれども、学校からの指定がない限りは、あまり課題図書にこだわりすぎないほうがよいでしょう。感想文を書くうえでは、誰かに「この本を読みなさい」と押しつけられた本よりも、自分が興味を持って選び出した本のほうが、当然感想も書きやすいからです。
例えば本屋や図書館で子供に好きな本を自由に選ばせて、「どうしてその本を選んだの?」と聞いてみる。それだけでも、立派な感想文のコンテンツの一部になります。
うちの子は、「かわいいこねこをもらってください」という本を選びました。これは、主人公の女の子が、子猫のもらい手を探して奮闘する物語です。当時、実家で猫を飼っていたことから、本人にとっても興味深いテーマだったようです。
ステップ②:付せんを貼りながら本を読む
読む本が決まったら、親子でさっそく読んでいきます。子どもには、印象に残った箇所にふせんを貼りながら読ませるようにすると、あとから振り返るときに役に立ちますよ。
このとき、つい親のほうが必死になって本を読み込んでしまい、子どもに先回りしてあれこれ教えようとしがちです。でも、あまり親が先走りしすぎると、子どもはかえって興味を失ってしまうんですよね。
「これって、こんな話だったかな?」
「ママ、違うよ。それはこうだよ」
というぐあいに、親はざっくり読むだけにとどめ、詳細は子どもから教えてもらうぐらいのスタンスでちょうどよいと思います。
ステップ③:親子の対話で子どもの考えを引き出す
本を読み終えたからといって、そこからいきなりスラスラと文章を書き出せる子は少ないと思います。とくに低学年の子であれば、まず書きたい内容を本人から引き出すためのお手伝いが必要になるでしょう。
そんなときに役立つのが「マインドマップ」です。マインドマップとは、アイデアや情報を整理するための図式であり、ライターが記事の構成を作る際にもよく用いるやり方です。
写真のように、中心にテーマを書いておいてから、お子さんと話し合いつつ、親さんが周りに関連する考えを書いていきます。すると、考えたことが見やすく整理されるので、お子さんの感想や考えなども、いっそうはっきりとしていくことでしょう。
わたしたちも、
- どうしてその本を選んだの?
- 心に残ったところはどこかな?
- どうしてそこが心に残ったの?
このようなことをざっくばらんに話し合いました。
その結果、
- おばあちゃんの家で猫を飼っているから
- ちいちゃんが、猫を飼ってくれる人を必死に探しているところ。
- わたしもルナちゃん(実家の猫)のお世話をしたことがあるけど、けっこう大変だった。だから、飼い主を見つけるのはなかなか難しいと思った。
- やっと飼い主が見つかったときには、自分のことのようにうれしかった。
こんな感想を引き出すことができました。
ステップ④:穴埋め式シートを活用し、考えたことを形にする
書くべき大まかな内容は決まったけど、それがなかなか文章にできない。
そこでわが家では、読書感想文用の穴埋め式シートを活用しました。
読書感想文用の穴埋めシートとは、読書感想文を書く際に、どのような内容を書けばよいかを整理するためのワークシートです。穴埋め式になっており、空欄に自分で考えた内容を記入していくことで、自分の考えを整理しやすくなっています。
テンプレートに従って言葉を入れていくだけで文章の大枠ができ上がるので、あとはそこに子ども自身の言葉を足してふくらませていけばよいと思います。
必ず書ける あなうめ読書感想文 | 粟生 こずえ, 青木 伸生 |本 | 通販 | Amazon
わが家ではこちらの本を参考に、わたしがWordでオリジナルの穴埋めシートを作成し、子どもにそこに思ったことを自由に書き込ませていきました。途中、なかなか決められた文字数まで文章が書けなくて苦労していたようですが、最終的には自分の力で感想文を書き切ることができました。
番外編:プロの力を借りる手もあり
なお、わが家では利用したことはありませんが、この時期になると、地域の公立図書館や学習塾などで子ども向けの読書感想文教室が開催されます。
その道のプロである講師が読書感想文の書き方をやさしく教えてくれるため、親が忙しいときには、こうしたところにお願いするのも一つの方法かもしれません。
ただし講座によっては早く予約しないと定員が埋まってしまうこともあるようです。
令和5年度 読書感想文教室(参加受付は終了しました) – 愛知県蒲郡市公式ホームページ (gamagori.lg.jp)
読書感想文制作を親子の楽しい対話の場に
読書感想文は、夏休みの課題の中でも親のサポートを必要とするものの一つです。それだけに、ともすると親子でもめたり、お互いの心の負担になったりしてしまいがちです。
一方で、1冊の本を通して親子で一緒になって考えたり、話し合ったりできる貴重な機会でもあります。今回ご紹介した事項を通して、少しでも「夏のラスボス」対策に役立てていただければ幸いです。