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土地を持ってなくてよかったと安心するのはまだ早い!オススメNetflix「詐欺系ドラマ・ドキュメント」

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地面師たまんねぇぇ〜!!!

ただごとじゃないおもろさ。ただごとじゃないキャスト。
もうPDファッショナブルとロマンスしかいないんじゃない?っていうアクの強さで昇天しちゃう。
あ、またじいさんが酷い目にあってる!てことはリリィさんは絶対悪い人でしょう?って他の作品とごちゃごちゃになりながらも、 最もフィジカルで最もプリミティブで、そして最もフェティッシュなドラマを堪能させていただきました。
今後永遠に擦られ続けるだろう名言を生み出したのも快挙!!

土地を持ってなくてよかったと安心するのはまだ早い!オススメNetflix「詐欺系ドラマ・ドキュメント」

しかし、地面師を観て土地を持ってなくて良かったーと安心するのはまだ早いです。
世の中にはありとあらゆる場面に詐欺が蔓延っています。
そこで、地面師から火がつき、取り憑かれたようにネトフリの詐欺系ドラマとドキュメントを徘徊した私が、オススメの3作品をご紹介します!
今回ご紹介するのはほぼ実話のドラマとドキュメントなので、地面師のようにあくまで実話をモチーフにしたエンタメ的エグさはないです。

令嬢アンナの真実

2010年代に起きた詐欺事件。
アンナ・ソローキンという人物がドイツの富豪の娘「アンナ・デルヴェイ」と偽り、ニューヨークの社交界やアート界で詐欺を働き、起業のために多額の融資を引っ張り出す直前で捕まった実話ドラマ。

今回ご紹介する作品の中で一番のオススメ!
まずこれが本当に実話なの!?オーシャンズイレブンの世界観じゃないの?となるハイブランドのファッションや豪華なホテルの数々を堪能できて、すっごい目に楽しい。
アンナ役を演じたジュリア・ガーナがすんごいすんごい可愛くてさー!絶対PDキュートなのよ〜!あ、またなんでもPDで見る癖出ちゃった。
このジュリアちゃんが「25歳になったら父親の投資信託が贈与される」の一点張りで、周りの本物のセレブや企業家たちをぶいぶいに騙していきます。物語はアンナが拘置所に入っているところから始まるので、詐欺が失敗した前提で観る流れになっています。

前半で分かることは、アンナのファッションが成金ではできない本当に上流階級に生まれた人の着こなしだったということ。ガチでセンスが良かったそうです。それは食べ物の趣味やアートの知識からも伺えて、だから周りの人は疑うことがなかったんですね。
実際はホテル代も飲食も踏み倒して、ブランド物は人のカードで買いまくるアンナなのですが、本物の令嬢だと思わせるためにホテルでのチップは必ず100ドル払います。そうすると、この人はすごいお金持ちなんだー!とホテルの間でも一目置かれるようになり、度々あるちょっとおかしなこともきっと何か理由があるんだろうと都合の良いように解釈するようになるんです。
でも所詮全部嘘ですから、自分が使った額が払えるカードなんて持っていないので、それはもう何度も何度もピンチが訪れます。切り抜け方が終盤になるほど強引になっていって結局は破綻するんですが、いやぁ最後までキィキィとわめき面の皮が厚い!!ボディドライバーを顔にやっても平気そう!!

庶民界でもこういう「ええとこの人間でっせ」もしくは「大金持ちでっせ」とうそぶくだけの人なら何年かに一回の頻度で出会いますよね?
マトモな人はあららと察知して距離を縮めないので実害が出る確率は少ないと思うんですが、それは虚言癖と詐欺師に明確な違いがあるからでしょうね。

アンナソローキンの後日談は、3年間の服役を経て2021年に釈放。その後ビザのオーバーステイで入国管理局に拘束され、再び刑務所に。刑務所にいた頃に描いたアートを販売してめちゃ儲けたそうだからタフですわ。出所してからは、現在は自宅軟禁状態にあるそうです。今でもInstagramのアカウントはありますよ。たしかにオシャレな雰囲気でした!(バカ感想)

Tinder詐欺師: 恋愛は大金を生む

自家用機で世界中を飛び回るダイヤモンド王子のふりをして、ネットで出会った女性たちから大金をだまし取った男。彼の被害者たちによるドキュメンタリー。

不謹慎だけど、お、面白い…!!
SNSを使ったロマンス詐欺のニュースはしばし見るものですが、この事件は何が面白いってポンジスキームのすごさが面白い!!

ポンジ・スキーム: Ponzi scheme)は、投資詐欺の一種。「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元する」などと嘘を語り、実際には資金運用を行わず、後から参加する出資者から新たに集めたお金(の大半)を、以前からの出資者に向けて“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用での利益を出資者に配当しているかのように装い、破綻することを前提に騙し取る手法[1][2]。 出典 wiki/ポンジ・スキーム

ポンジスキームとは、ターゲットから得たお金を違うターゲットに見せ金で使い、相手の信用を得たらお金を引っ張りバックレるという古典的な詐欺のやり方。投資詐欺の99%以上はこの方法が使われていると言われるほど効果絶大なんです。

本作に出てくるサイモン・レヴィエフを名乗る男は超イケメンで超金持ち!!シンプル!!
そんな人がTinderに登録するのかぁ??というのが全人類のツッコミどころなのですが、パレートの法則なのか(たぶん違う)、そこをすり抜けてしまう人が必ずいるわけ。じゃなきゃ詐欺なんて起こらないんだから!
で、すり抜けちゃってターゲットになった女性を、早々に自家用機で豪華ホテルに泊まる旅行に連れて行くんです。
金持ちだと自称しての結婚詐欺は定番だと思いますが、口約束が9割でいいとこ高級レストランとかプレゼントっていう感じじゃないですか?
じゃないですか?って同意を求められても困ると思いますけど、こんなに実際に見せ切る結婚詐欺ってあるんだー!とスケールのデカさにびっくりしました。
しかも巧妙なのがチームプレイなんですよ。ボディガードと元妻と子供(!)なる人物がいて紹介されることで、自己開示と受け取って信用しちゃうわけ。たしかにこの時点では、人間性はわからないとしても、お金持ちなことは疑わないかも…って思っちゃいました。めちゃくちゃ変わってる金持ちがいたもんだーみたいな。
と、なったらもうカモ。
斜め上の設定を徐々にインセプションして、お金を引っ張るんですが、そりゃ第三者からしたらんなアホなってことばっかりなんです。
でも、当事者はぶっ飛んだお膳立てをくらってるから、助けなきゃ!という心理になってるんですね。ポンジ効いてるなぁ。

作中には被害者の女性が3名出てきます。詐欺だと分かった後に、それぞれのやり方で男を追い詰めていくんですが、その中の一人には(頭いい)特にボッコボコにされて愉快です。
女性たちの頑張りのおかげで、無事逮捕されるのですが、5カ月で釈放。
今でもInstagramでSimon Levievでアカウントを更新していて、詐欺師だと世間にバレているのに、なぜか羽振りのいい生活をしているし彼女がいるからびっくり。

FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー

ビリー・マクファーランドとラッパーのジャ・ルールによって企画されたファイア・フェス。バハマのプライベートアイランドを舞台に、ビキニ姿のスーパーモデルたちをゲストに迎え、超有名アーティストが豪華な環境でのパフォーマンスを行う音楽フェスと謳っていた。しかし参加者たちを待っていたのは、想像を超える惨状だった。 

最近もよくわかんない経緯で開催できなかった国内の音楽イベントのニュースがあったと思うのですが、たまーにあるよね、こういうの…ってやつの規模どでかバージョン。
中止ならよかったのですが、こちらは準備ができていないのに高額チケットを売って開催しちゃってお客入れちゃって、関係者もお客も白目マックスな様子がドキュメントで描かれています。

ケンダル・ジェンナー、ベラ・ハディット・ヘイリー・ビーバーなどガチもんの一流モデルを使って、広告にめちゃくちゃお金をかけて、ハイクラスで未知なスケールに注目が集まったファイアフェス。
大風呂敷を広げすぎて、計画通りに事は進まず決行可能な現実が見えません。
チームメンバーが何度も「いやこれやばくね?」と突っ込むのですが、主催のビリー・マクファーランドが「いやなんとかなる!!しろ!!」と押し切り、プロジェクトチーム全体がだんだん思考停止のような状態になっている感じがしました。

印象深かったのは、誰しもがやばいよやばいよと思っていながらも強行突破することになった前日の出来事。
超イケてるヴィラやテントがあると謳っておいて、災害避難用のテントしか用意できず、それでも寝床は寝床だろ!と正常性バイアス(にしか私には見えなかった)にかかっていたところ、とどめの大雨。
そんな天候に備えているわけもなく、なけなしのテント設備がびっしゃびしゃなんです。その時のことを語るスタッフたちの様子は、いよいよの絶望なのか、現実を受け入れることにした安堵なのか、なんともいえないすごいものがありました。

そしてずぇぇっんずえん整っていない状態で当日を迎えるのですが、お客を入れた場所がどこってね、バハマざんす!!バハマの島!!
帰ろうとしたってそう簡単に引き返せないわけ!!ほぼ片道切符。
フェスどころじゃなく、マットや枕の取り合いになったりしっちゃかめっちゃか。

時々、こういう結果になることがなぜ分かんなかった?なんでGOしちゃったのか?と誰しもが疑問に思うような炎上がありますが、このドキュメントを見てるとその側に立つ人たちの心理状態が分かるような気がしました。
怖いなと思ったのがこれって自分も仕事で近い心理になったことあるなと思ったんです。
もちろん賠償が発生するレベルの事案ではないですよ。小さい小さい話ですが、どう考えたって、不甲斐ない結果になることが途中で分かってたのに改善しなかったこととか、迷惑をかけてしまうフラグが立ってたのに勢いで進めてしまったこととか…あるーーー!!!!
なんかゾッとしちゃいました。

先述の2作品の詐欺と違う点は、少なくとも最初から騙そうとしているわけじゃないんですよね。たぶんね。決行が無理だと分かった時点で対応しなかったことは不誠実で結果的には詐欺になりますし、他にも色々悪質な事件であることは間違いないのですが。

ちなみにこの事件は当然リアルタイムでめちゃくちゃ炎上したのですが、被害者である参加者に対して同情論だけではなく、いわゆるパリピさを揶揄する風潮もかなりあったそうです。日本でも間違いなく同じ風潮になるでしょうね。シャーデンフロイデに国境なし。あーヤダヤダ。

主催者のビリー・マクファーランドは複数の詐欺罪を認め、6年の禁固刑を言い渡されました。4年の服役を経て、2022年に早期釈放されて、フェス2.0をやるぜと発表したそうです。コラ!!!!0.0000001から始めろ!!

悪趣味が身を守ることもあるかも。まだまだある!色んな詐欺!

あーしばらくこれ系は見たくない。ちょっと吐きそう。うえぇっぷ。
今回は3作品を紹介させていただいたのですが、実はこれ系を一気に10作品以上観ました。そら吐きそうになるわい。
人はなぜ騙す人や騙される人に興味があるんでしょうね。
教訓を得たいなんて真っ当な動機は一部で、ほとんどは好奇心なはず。まさに悪・趣・味。
でもまぁこんな詐欺があると知っておくことで身を守ることになるかもしれないです。
またいつか他の詐欺作品をご紹介しますね!

※紹介するする詐欺