【究極にまろやかなコーヒーのため③】ハンドドリップの理由〜面倒くさいVS美味しく飲ませたい〜
コーヒーは大好きだが、別に詳しくない。コーヒーは毎日飲むが、淹れ方適当。
私は、年間スタバのカフェミストを400杯飲んできましたし、コロナ禍の自粛が明けて1番最初に向かった場所はカフェラテを飲めるお店。
それほど、人生にとってコーヒーは欠かせないのですが、好きという気持ちだけでやってきた典型的「コーヒー分かっていない人間」です。
だからお家でコーヒーを淹れるとなると、ケメックスとかバルミューダとかすかさずオシャレでハイソなものでうやむやにしようとしてしまいます。
でもさ…
そんな気持ちわーかーるでしょうー!?(情熱の薔薇)
いや私もね、美味しいコーヒー専門店で丁寧に淹れてもらったドリップコーヒーと、スタバの味の差は流石に分かりますよ!
でもさ…お家でとなるとやっぱりそんなもんでないの!?
フレンチプレスやソロフィルターやケメックスやバルミューダやそんなもんでないの!?
でも、せっかくだ。そんなもんじゃないところにいってみようということで始まった『究極にまろやかなコーヒーのために』シリーズ。
函館の伝説的コーヒー店「SOUNTRA COFFEE AND MUSIC」さん(以下サントラさん)のご協力を得て、〝そんなもんでない?脳〟を鍛え直しているところです。
ハンドドリップじゃないとダメ?徹底討論
第3回目はヒツコスも参加させてもらってのインタビューです。
これまでお聞きしたサントラさんがこだわっているポイントは大きく2つ。
✔︎あえてのNOT自家焙煎
焙煎の能力とコーヒーを淹れる能力・ブレンドをする能力は違うので、日本で1番信頼している焙煎士さんに依頼している。
✔︎シングルではなくブレンド
サントラオリジナルの価値は「ブレンド力」。1gもずらさない計算と配合で、たどり着いた3種のブレンドを提供。
つまり「商品=豆」へのこだわりの部分についてはお伺いできましたが、サントラさんの商品を受け取った私たちがこだわるべきところは、またはこだわらなくていいところは何なのでしょうか?
教えておくれー!
登場人物
SOUNTRA COFFEE AND MUSICのオーナー。
2022年2月からオンラインショップをオープン。
「とにかくまろやかで飲みやすい」ことに特化したオリジナルブレンドを数種類販売中。
カフェラテが大好き。
ブラックが飲めなかったけどSOUNTRAさんのコーヒーで飲めるようになった。
年間スタバのカフェミストを400杯飲む。
今はファスティングの影響で減ったが、コーヒーは変わらず好き。
どうしても楽をしたい女VSどうしても美味しいコーヒーを飲ませたい男との決戦の火蓋が切られる
私は以前サントラさんのコーヒー3つセットを友人にプレゼントしてもらったことがあるんです。一緒についてくるリーフレットの文章を読んで、鹿内さんのコーヒーに対する堅苦しくないんだけど丁寧な愛情を感じまして、適当にお湯ジョボジョボ注いでミルクドバドバ入れてだらだら飲んでていいのかという気持ちになり、友人を通して「フレンチプレスとケメックスのどっちで淹れた方がいいですか?」と聞いたのが始まりですね。
そうですね! そこからとりんさんも色々質問してくれて、FinalAのライターさんはコーヒー好き率が高いと知りました。
ヒツコスさんが「ケメックスをオススメされた!ケメックスに合うフィルターも教えてくれた!」と言っていて、私もちゃんと美味しいコーヒーを淹れたいと思うようになったんです。ちなみにフレンチプレスオンリー族でした(笑) それでもフレンチプレスで淹れるならこの淹れ方がいいですよと教えてくれたので助かりました!
今日お聞きしたいのは、美味しいコーヒーを飲みたいならやっぱりハンドドリップがいいの?ということです。答えは分かりきっているような気もするのですが、それでもちょっと足掻きたいと思ってます。
ハンドドリップがいいです。
くぅ…!!!!!
でも、僕がそれ以上にお伝えしたいのは、多くの方は、ハンドドリップ=面倒くさいという思い込みがあるんじゃないかということです。
ハイ、面倒くさいです(キッパリ)。面倒くさいに決まってるじゃないですか!面倒くさくなかったらハンドドリップで淹れてますよー!
落ち着いてください。手間がかからなそうな器具とコーヒーを淹れる準備ってハンドドリップとほとんど変わらないんですよ!!
ほぅ…?
ストップザ思い込み!それ本当にハンドドリップより楽?考察
楽だと思っている器具や機械は本当に楽なのか?手軽なのか?
鹿内さんの考察でメスを挿れていきましょう。
フレンチプレス
フレンチプレスは紙のフィルターを使わないで手間がかからないというイメージが強いと思いますが、紙をそのままポイッと捨てた方が楽だと思いませんか? また、コーヒーの雑味の部分も全て出してしまうという傾向もあります。
コーヒーマシーン
コーヒーマシーンに関しては、ハンドドリップのお湯を注ぐ工程を機械がやってくれてるだけという認識です、僕は。ということを踏まえると、自分でお湯を注ぐか機械がお湯を注ぐかの違いのみであって、それまでの準備は人間である自分達でやらなければいけません。高いコーヒーメーカーを買ったとしてもそれは変わりませんが、一方で最新のコーヒーメーカーは繊細な注湯ができるようになってきたことはたしかです。でも、それは人間ができる注湯を再現しているに過ぎないので、だったら誰でも美味しく淹れられるお湯の温度などを工夫して(今後の記事で出てきます)自分で淹れるといいんじゃないかなと思ったりします。
ソロフィルター
フレンチプレスと同様に、ソロフィルターは粉を捨てて粉がついた器具を手洗いしなきゃいけないので、意外に面倒くさいと思います。排水溝の網のところに詰まったりもしますし、紙のフィルターで捨てたほうが衛生的だと思いますよ。
お湯を一回なんかして注ぐあれを乗り越えるべき理由
ぶった斬ってますね。なるほど。たしかにこうやって説明してもらうと、準備に差があるわけではないし、雑味とのトレードオフしてまでの手軽さはないような気がしますね。少し踏ん張ってハンドドリップで美味しいコーヒーを飲めばいいのかも…。
そうですよね! もちろんそういう器具や機械を使って飲んでいだたくのも全っっっ然いいんですよ。ご自分が気持ちよく飲めるのが1番ですから。ただ、ハンドドリップが難しくて面倒くさいという印象が変わればいいなぁとはずっと思っています。
んーーーーーー、でも…
でも!?(まだ納得していない!?)
結局、楽そうに見える器具に共通しているのって、お湯を一回なんかして淹れるあれを省略していることですよね?
はい、そうですね。
てことは、多くの人はそれが面倒くさいってことじゃないですか?
え、あのお湯を一回なんかして淹れるあれってそんなに面倒くさいですか…?
面倒くさいです。
(言葉を失う)…そこまでと思わなかったです。
例えばですね、この世には炭酸パックという美容アイテムがあるんです。これは1剤と2剤を混ぜて、顔に乗せて20分-30分置いて、混ぜたカップを洗うという工程が発生するんです。それをサントラさんあなたはできますか!?という話です。お湯を一回なんかして淹れるあれは、サントラさんにとっての炭酸パックぐらいの面倒くささと思っていただきたい!!
その炭酸パックとやらはなぜ1剤と2剤を混ぜるんですか?
炭酸ガスがその場で発生するようにですね。
なぜ顔に20分以上のせるんですか?
炭酸ガスがその時間発生し続けるからですね…。
カップはなぜ洗うんですか?
ま、また使うからですー!!!!
なぜそんな工程が多い炭酸パックをまた使うんですか?
肌が綺麗になるからですーーーー!!
その炭酸パックを5分で流しちゃう人がいたらヒツコスさんはどう思いますか?
何しとるんや!! もったいな!! と思います!! うわーーん!!!
ヒツコスさん負けましたね…!!(涙)
いや、今のお話をお聞きして分かりました。きっと炭酸パックのように腑に落ちればいいんですね。実はあれにはヒツコスさんがお好きな炭酸ガスも関係しているんですよ。
え!! まさかの炭酸繋がり…!!
良いコーヒー豆は良い炭酸パック
ご存知だと思いますが、ハンドドリップの基本は「お湯で蒸らしてお湯で落とす」です。蒸らし時間は30秒-40秒、お湯を注いで抽出する時間は3分から3分半を推奨しています。
(抽出時間長っっっ!!)
ヒツコスさんがおっしゃっている一回なんかするってやつは、蒸らす時間にあたるんですが、見え方としては注湯してコーヒー豆が膨らむ状態です。なぜコーヒー豆が膨らむか、膨らむ豆が良いか知っていますか? ヒツコスさん膨らむですよ。膨らむ…。
膨らむ…もこっと…あ!! 炭酸パック!?
そうなんです! 炭酸ガスが発生しているからなんです。内包されている炭酸ガスは焙煎した後に劣化を防いでくれる働きがあるんですよ。すなわち、大きく膨らむコーヒーは日にちの経過が少なく新鮮である目安となるんです。
なるほどーーーー!! 炭酸パックなら膨らませないとですね!!
(しめしめ)炭酸ガスが発生すると同時に、何が起きているかというと、もこもこの中で高純度のコーヒーの液体を作っているんです。蒸らしていると思うより、美味しくてたまらない元となる液体が今できていると思う方が楽しいかもしれません。
たしかに! ただ待っている感覚が苦手なんですよね。
その後にお湯を注ぐのは、その高純度の美味しさが詰まったコーヒー液をお湯で薄めながら押し出しているということになります。いわゆる「のの字」で注ぐのが慣れない方には面倒くささの要因となると思いますが、最近のドリッパーは優秀になってきているので、のの字を描かなかくても、真っ直ぐお湯を注ぐだけで美味しく淹れられるものがあるんです!
時代はいつの間にか脱のの字!
そう! 真っ直ぐで良し! 最後に、3分から3分半かけてお湯を注ぐのはこれは「まろやかなコーヒーを淹れるため」と思って勘弁してください。肌が綺麗になるための時間と一緒です(頼むわ!!)
サントラさんセレクト!このドリッパーとフィルターが一押し!
肌が綺麗になるのと一緒! この辺で理解してあげることにしました!
ここまできたらサントラさんのオススメのドリッパーとフィルターも教えていただきます。
お聞きすると、さすが長年ハンドドリップコーヒーを追求されているだけあって、出てくる出てくる色んなドリッパーとフィルター。
選択肢がありすぎても混乱しちまいますから、比較的買いやすいもので、オススメの組み合わせをピックアップ。
これから買い揃えたい、プロがオススメするものを使いたいという方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。全て真っ直ぐ注湯していいフィルターだそうです!
浅煎りを深く豊かに楽しむ
▼#1 ライトブレンド ¥1,180(税込)
▼CAFEC フラワードリッパー
▼CAFEC アバカ円すいコーヒーフィルター
CAFECというブランドのドリッパーとフィルターは、どちらもコーヒー豆が持つそれぞれの味わいを最大限に引き出してくれるような器具だと感じます。このドリッパーは、お湯を真っ直ぐ淹れるだけで、勝手に美味しいコーヒーの旨味を抽出してくれる名品。その特徴がより生かされるのは注湯速度が遅めの時。ゆとりがある時にぜひゆっくり淹れてみてください。コーヒー豆の味の奥行き・粒ひとつひとつの存在まで広がっていきますよ。
中煎りをさらにまろやかに
▼#2 ミディアムブレンド ¥1,180 税込
▼珈琲工具 ステンレスドリッパー
▼CAFEC アバカ円すいコーヒーフィルター
猛烈に気に入っている組み合わせです。ステンレスドリッパーは骨組みだけなのでガスの抜けが早く、抽出したコーヒーの中に香りと旨味がしっかり残り、まるでネルドリップで淹れたかのようです。お手入れもしやすく初心者の方にもオススメできます。デザインも良い!
アバカペーパーも初心者の方にオススメできる万能フィルター。どのように淹れてもコーヒーの美味しいところを余すことなく抽出できて、正直最近1番たまげたフィルターです。注湯速度をゆっくりすると、コーヒーの芳醇な香りと味をいつも以上に感じられますよ。
中深煎りをすっきり飲みやすく
▼#3 ダークブレンド ¥1,180 税込
▼ORIGAMIドリッパー
▼カリタウェーブフィルター
サントラのダークブレンドはまろやかな味わいの中にすっきりさを感じる配合。
ORIGAMIのドリッパーは、お湯の落ちるスピードがすごく速いドリッパーなので、普通に淹れるとそのままスッキリした味わいになります(ゆっくり淹れるとまろやかな味わいになるところもORIGAMIの魅力)カリタのウェーブフィルターは、こちらもすっきりした味わいになるフィルターなので、この組み合わせで淹れると、まろやかだけれどよりすっきりとした味わいになります。
いよいよ次回はファイナラブレンド発売!
長らく引っ張ってきましたが、ついに明日はFinalAブレンドの発表&発売です!
サントラさんから「悔しいけど傑作ブレンドができてしまいました」とのお言葉を頂戴しております。
どんなオーダーでどんなブレンドが完成したのか? お楽しみに!