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【人生にゴリゴリに役立つ本のみを紹介する♯22】営業会社員が読んで良かった『職業としての小説家』

, 私たちのFA

 

こんにちは、1日1万5千歩歩く営業女子のしゅがーです。
今の会社に新卒で入社し、現在8年目の営業です。私ったら一途!!
フリーランスに憧れる日もあれば、自分の仕事にやりがいを感じる日もありますし、営業なんて辞めてぇ!!!と絶叫している日もあるのが素直なところです。

そんなゴリゴリ会社員の私ですが、正直会社員としての生活しか知らないので、自分の裁量で仕事をするという生活があまり想像つきません。
でも!!世界の春樹が教えてくれたのですよ!!!

「職業としての小説家」を営業会社員が読んでみた

職業としての小説家  村上 春樹

こちらは、ヒツコスさんから教えていただきました。ちなみにヒツコスさんは、尊敬する起業家で経営者の方が「その辺のビジネス書を読むんだったら、これを読んだほうが良い」と言っていたのをきっかけに読まれて感銘を受けたそうです。
ヒツコスさんいわく「どんな職種の人でもマインドセットにとても役立つと思う」さらに「あとふつうに文章がうますぎて死んじゃう」ともおっしゃっていたので興味が湧いて読んでみることにしました。

この本は、何故村上春樹が小説家になったのか、文章を書くために大切にしていること、自分の仕事をどんな風に捉えているかなど、自叙伝的エッセイのような内容になっています。
一見難しそう!!と身構えそうになるのですが、さすが春樹。
めっちゃ面白い!というより、興味深すぎてどんどんページをめくってしまいました。

そもそも我々は何故働くのか???

この問いかけは、私が入社式の日に社長から投げかけられた言葉です。
「決して受動的になるな。仕事はあくまで手段であり、日々の幸せを追い求めよ」と言葉が続いたのですが、私はこの時点では「せっかく1日の大半を長い時間仕事で過ごさないといけないなら、興味のある業界でお給料をもらえたらいいな~」程度にしか思っていませんでした。
そして、新卒で会社員以外の道なんて考えたこともありませんでした。

村上春樹がどうだったかというと、会社員にはなりたくないということでまず自分で飲食×音楽のお店を始めます。小説家ちゃうんかーい!
小説家になろうと思ったのは、ある瞬間に突然「そうだ、僕にも小説が書けるかもしれない」と思いついたからだそうです。そして早速原稿用紙に向かう日々。

村上春樹のすごいところは、何を選んだとしても自分が選んだという責任のもと、自分の人生をしっかりと自分で舵切りしているというところにあると思います。

会社員がいいとか悪いとかそういうことではなく、そうじゃない道を考えると大半の人が不安を感じると思います。ましてや初っ端から自分で開業する道を選べるでしょうか??
村上春樹はすべてを自分でどうにかする力がとても強いと感じました。

私は、日常の仕事で組織にいるからこそ「助けてほしいな〜誰かどうにかしてくれないかな〜」という甘えた部分があることを突きつけられたような気がして初手からくらいました。

あまりにすごい村上春樹さんですが、選ぶ仕事には共通点がありました。
それは……

好きこそものの上手なれ

小説家になる前のお店を営んでいた時

「身体を酷使し、とにかく店を維持し、借金を返していくということのほかには、ほとんど何も考えられなかった」とあるほど、とにかく毎日がいっぱいいっぱいの日々を送ってらっしゃいましたが、「でも楽しかった、なんといっても一日好きな音楽を聴いていられた」。

小説家になってから

「さぁ、これから何を書こうか、と考えを巡らせる時は本当に幸福です。正直言って、ものを書くことを苦痛だと感じたことは一度もありません」
どちらの時代も好きで好きでしょうがないこと、触れ合っていることが楽しくてしょうがないことを選んでいるからこそ努力もできる。そういうことが書かれていました。

正直、私はびっくりしました。私が数年営業をして得た感覚と同じだったからです。
勝手に苦悩の末に、苦しんで苦しんで生み出されていると思っていたら、村上春樹は毎度ワクワクしていました。

営業はいわば、商品のプレゼンターであり、お客様の商品開発のチームの一員でもあります。(と暑苦しいながら勝手に思っています)
「今年はどんな商品に携われるかな」と期が新しくなるごとに、ワクワクしている自分がいます。
会社側からみると、営業は戦国武将です。好きなことでなければ詳しくなろうとも思えないし、詳しくないと戦略を練ることができません。

私は、好きなことでないと情報収集も極めていくことも苦痛でしかないタイプだと気づきました。
就活時代を思い出すと、条件だけで受けたところは志望動機がうっすい。「そりゃ落ちるだろ」と思います。
好きなことを選ぶと熱の入り方が違い、「好きなことだから」という一つの軸にもなります。
自分のやりたいことがわからない。そんな時は自分が楽しいと感じるものや続けていて苦ではないこと、深く知るための勉強や知識の取得をめんどくさいと思わないものが何なのかを考えてみるのがいいのかなと思いました。好きに勝るものはないと思います。

YoutubeやSNSを見ることにどれだけの時間を費やしていますか??

ギクっとしませんか??私はしまくりです。
皆さん朝活はされていますか?結構流行っているし、私も憧れるのですが、会社員ってそもそも朝起きる時間が早いので、朝活ってもはや5時起き??無理!!
夜は20時以降に帰ってきてご飯を作り、やることをやってたらあれ23時??ってなりません??
でもどこかでYoutubeやSNSを結構な時間を費やして見てません??しかも10分前に見た内容すら覚えてなくないですか??

会社員だから時間がないというのは、ただの言い訳なんだと痛感しました。
だって…村上春樹大先生は…
朝早く起き毎日午前中は執筆に充て、午後は脳を休め一時間は外で運動し、明日に備える。
とんでもなく自分を律していらっしゃる…。

途中から違う本読んでる??と錯覚するくらい健康の重要性について書かれています。自分の集中力を維持するためには、基礎体力を身につけることが大切だとわかっておられるからです。
わかっていながらお酒を飲み酔っ払い、お風呂にも入れない私は号泣です。

わかっていることを一日一日着実に乱すことなく数年間続ける。これこそがプロなんだなーと思います。これをできるか?と言われたら私はできません…。
ちなみに満員電車に乗る体力のほうが凄いと書かれていたので、自分は何が嫌なのか、できないのかを知ることも好きなことを続けるのと同じくらい大事なことなのかもしれません。

「春樹流これをしておけばよかったという後悔のない仕事」を教えてもらった本

村上春樹は情報収集をし事前準備をしっかり行って自分と向き合い、自分を律して時間をコントロールする。
そうしてやっと文章を書くようなのですが、何度も何度もその文章を振り返る粘り強さが尋常ではないのです!!
担当に出すギリギリのギリギリまで手を加え続けると書かれていました。
やるべきことを十分にやったうえで作品の評価は読んだ人にゆだねられるので、自分としてはベストを尽くしているのでこれ以上のことはできない。
でも、やるべきことをいかに行っているかという点で軽やかな確信を持って過ごしている印象を受けました。

これって社会人であれば誰でもしなきゃいけないことなんですよね。
営業である私は、1週間のスケジュールは前の週に埋めなさい。客先の商品や求めていることをお客様以上に知っていなさい。
そして、事前に聞かれそうなことや競合社のこと、何より自分が提案するものに対して十分に準備しなさい。そこまでやり切ったらあとは客先の判断。
「これをしておけばよかったという後悔のないように」と、どの上司にも言われます。(え?この本回し読みしてる!?)

ちなみに8年目の私が何故働くのかを考えると、それは自己肯定感のためです。
自己肯定感に関する話題は多くあると思いますが、個人的には自己肯定感を手っ取り早く入手する方法は仕事にあると思っています。
なぜ働くのか…それはフリーランス、会社員問わず自己鍛錬を通して得られる自己実現なのかもしれません。
なんだかんだ営業という仕事が好き、そして今いる業界が大好きだと改めて気付くことができた職業としての小説家。
私からも幅広く色んな方にオススメいたします!