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後悔しない人生ではなく後悔する権利をもっている人生だと生きやすい

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「そこの生きづらいあなた、こうすれば楽になれますよ」という囁きは、ダイエットに悩む人に向けて「そこの痩せられないあなた、こうすればスリムになれますよ」という囁きと同じぐらい、甘く、そしてよく見かけるものになった。

それほどに生きづらさを抱えている人が多いということだ。

「今ダイエット中で〜」という会話ぐらい、「今生きやすさ調整中で〜」という会話で成り立つ日が近いのかもしれない。
しかし、いつまでもダイエットにまつわる情報がこれだけ溢れているということは、すんなりと成功している人があまりいないからだろうと想像するのは容易くない。

ダイエット本や方法論を見ただけでその一瞬は達成できそうな気になる、ということが何回あっただろうか。しかしモノにできていない。

生きやすくなる方法もきっとそうなのではないかと思っている。

その情報が嘘だからではない。
ロジックとモチベーションが、自分の体質、性格、生活習慣と噛み合うまでには、どうしても試行錯誤が必要となるからだ。よっぽどセンスのある人じゃないと、そこにたどり着くまでは簡単ではない。
そしてよっぽどセンスがあるならそこまでさ迷っていない。

だが、きっといつか、いつかは噛み合う時がくるのだ。
点と点が線になって、あーこういうことだったのね?と体感と共に理解する時が。

本記事が、その中の点のひとつとなってくれればと願い、私的生きやすくなるライフハックを紹介したいと思う。

41歳の今の私は、正直に言って生きやすく生きていると思う。
自分でもわりとそう思うし、人からもそれとなく言われることがある。

センスがあって色んな波を乗りこなしてきたタイプではなく、本来は、天候も波も読めずダイブしまくっては瀕死になりながらなんとか浮上してやってきたタイプだ。
サーフィンのことを全く知らないのに例えに使ってしまって後悔している。
まさにこういうところだ。

生きづらさというのにも種類が当然ある。
それが主体的なものなのか客体的なものなのか。
私は主体的な生きづらさの方だった。

後悔する権利をもつ

「後悔しない生き方」というのは強い。
かっこいい。
正しい。
潔い。
そこに痺れる憧れる。泣けた惚れたこれだ。

「世界に聞いた!好きな矜持」というアンケートをとったらトップに輝くのではないだろうか。

反省はしても後悔はしない
失敗しても後悔をするよりマシ
後悔するぐらいならやった方がいい
とにかく後悔はしたくない

万国共通、古今東西に伝わる継ぎ足し続けられる秘伝のタレ。
それがザ・後悔をしない生き方。

それぐらい人は「後悔」を恐れ避ける。
事実、後悔は生産性が低いし、むしろそこから派生する影響は人を蝕みやすいものだからだろう。

経験としての失敗は、その後の経験次第で書き換わることは十分にありうる。
あの失敗があって良かったというケースはいくらでもある。

後悔はその点、罪、に近いかもしれない。
その意識を抱えてしまったら、心に根付いてしまったら、「はい、後悔さんの行き先はこちらだよー」と然るべき出口に案内することがなかなか難しいものなのだ。
だから、後悔は少ない方がいいし、そもそも後悔しないように生きるということ自体が素晴らしいのは間違いない。

でも、後悔をしない生き方って可能だろうか?

私は無理だ。
それが無理だったのだ。

人を絶対的に傷つける言葉を選んでしまったこと、侮辱されているのに言い返せなかったこと、もっとうまくできたはずなのにできなかったこと、掴んでいるべき手を離してしまったこと、踏みとどまれば良かったのに突き進んでしまったこと、もっと感謝を伝えればよかったこと、もっと謝ればよかったこと、ビットコインの売り時を間違えたこと。

だから私は「私には後悔する権利がある」と思うことにした。
いや、したのではなく、そう思う。
私は、二度と戻れないあの時にしたあの選択と起きた事柄に対して、後悔をする権利がある。

後悔の出口戦略

後悔する権利があるの術を使い出して、私はそこからぐんと生きやすくなった。
「そこにいていい」と言われると安心するのは、人も意識も同じなのだ。
「あっちにいけ!」と無理やり追い出そうとしたり見えないふりをしていると、グレてしまい、余計に暴れ回る。

これは噛み砕いていくと、心理的なリリーステクニックの要素が含まれているので、特段珍しくはない心を楽にする方法なのだが、「あるがままを受け入れる」よりも「そのまま自分を見つめる」よりも、「権利をもっている」という言葉の意味するところが自分にはしっくりきた。
そういうことだ。

ビタミンC美容液だって、ピュアビタミンCなのかAPPSなのかAPSなのか、どれが一番合うかは人によって違う。私にはAPPSが合う
そういうことだ。

権利があると、後悔はとても安心するようだ。
時には、いつでも後悔できるのだから、とぶらっと出かける気にもなったりもしている。

◯◯する権利シリーズは二重の悩みを防ぐ

私は他にも◯◯する権利シリーズをたくさん持っていて、その権利を行使している。
落ち込む権利、心配する権利、悲しむ権利、泣く権利、怒る権利、喜ぶ権利、自惚れる権利、控える権利、自信をもつ権利、恥をかく権利。
このシリーズのいいところは、二重の悩みを予防しやすいところにある。

時折、人からの相談を受けると、その悩みが二重になっていると思うことがある。

どういうことかと言うと

①「◯◯さんにこう言われて。すごいショックだったんだけど」
⇨わかる
②「そんなんでショックを受けてる自分って心が狭いのかなぁと思って落ちこんでしまった…」
⇨わからない

悩み2個に増えてない!?
2つめどっからきた!?

いや!わかるよ!
わかるんだけどさ!
「ショックくらっちゃってるので、自分ちょっと横にならせていただきます」と、玄関に「ただいまショックを受ける権利行使中」とカードをかけておけばいいのだ。(内部処理的にです)

自分は高潔な人間じゃないということを知る

①の権利を使わずして、①と②の構造の悩み方をしている人は優しい人や真面目な人に多いと思う。
そして、もうひとつ。辛辣な言い方をさせてもらうが、自分をどこか高潔な人間だと思っている人にも多い。

ハッキリ言おう。
そんなわけはない。

あなたはめちゃくちゃ普通だ。
超普通に嫉妬するし羨むし蔑まれたら腹が立つしプライドを折られたら許せない煩悩にまみれた人間だ。

って、私だけだったら申し訳ない。
私はそういう人間だ。

だが、同時に、人の大切さを知っているし、人の喜ぶ顔を見ると嬉しくなるし、役に立ちたいと思って行動している。
最悪、人の足を引っ張ることはしなければ上等だと思っている。
自分の中で起きる反応は、自分がどういう人間であるかの全てを表すものではない。
良い人間でありたければそうすることはできるのだ。
感じ方にまで高潔さを求めるから無理が出るし、押し殺せば押し殺すほど、反動で力を増す。そして悩みが複雑になる。
だから②で悩む必要はないのではないか。うんこ踏んですっころべって思ったっていいじゃない。
実際にうんこをばら撒かなければ。実際に転ばさなければ。
ん?なになに?

②で悩む権利があってもいいんじゃない?

おおおー!!!
いいですね!!!
その調子ですよ!!!(うざい)

ぜひ、そんな感じで使ってみて欲しい。
ただし、人に「◯◯する権利があるから行使しています」と明言するのは、圧が強すぎるのでやめておこう。
ダイエット中に友達と外食に行くことにしといて「中華はちょっと…」と言ってるようなもんである。
これはあくまでの自分の内部で処理するべき出口戦略だ。
その上で想いを信頼する人に話してみるのは大ありだ。

さて、高潔ではない煩悩人間の私はこれからもきっと生きてる上で色んなことを後悔するだろう。
自分の中で起きる反応は、自分がどういう人間であるかの全てを表すものではないのと同様に、人生で後悔することがあることと、人生そのものを後悔することはまた別であると思う。
ということで本日は、人生に起きたことを後悔する権利をもつことで、生きやすくなり人生を後悔しない、数々のギリギリから生まれたギリギリのライフハックをお伝えした。