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コラム
遊牧眠

【ただのコラム】遊牧眠

コラム

 

ここ最近、16時近くに就寝して20時ごろに起き、再び0時過ぎに寝て3時ごろに起きるという睡眠サイクルを送っている。
合計の睡眠時間は7時間前後となるので平均的だが、なかなかのクセ強睡眠サイクルである。
それもあと何日かのことだ。

1週間前は違う睡眠サイクルだったし、1週間後もきっと違う睡眠サイクルだ。
10時間以上ぶっ続けで寝る時もあるし、22時に寝て5時に起きるザ・健康でーーーすみたいなサイクルの時もある。いずれも短期間は続き、必ず流動していくことは変わらない。
今に始まったことじゃなく、私は10代の時から睡眠サイクルが安定したことがないのだ。

今の医学用語をあてはめるなら何かしら名前がつくだろうし、私の睡眠を成績表で現すなら、絶望的であるのは間違いない。
これだけ色々な媒体で、睡眠は大事だという情報が多く発信されている中、やさぐれ過ぎている睡眠サイクルである。

あまりに短期間で変わるため、結果的に昼だろうが深夜だろうが何時でもこの人稼働しているな…という印象になるらしく「ヒツコスさんっていつ寝てるんですか?」と聞かれたことがある。

いや、毎日きっちり寝ているのだ。寝ているし、私とて、睡眠が大事じゃないと思ったことは一度もない。そもそも眠ることが相当に好きだ。
睡眠環境を整えるためにできることはしているし、決まった時間に寝て決まった時間に起きるべく何十回もチャレンジしてきた。これからも時々はするだろうが、今のところ成功したことはない。

とは言え、早寝早起きが1番という説は一昔前のことになっているのは皆さんもご存知のことと思う。
規則正しさは大事なのだが、朝型人間か夜型人間かは遺伝子的に決まっているというのが新常識である。さらには、朝型・昼型・夜型・超夜型に分類されるというクロノタイプも話題だ。

睡眠サイクルは自分の意志でどうこうできるものじゃないので、一般的な睡眠サイクルにあてはめるよりも、集中できる時間やコーヒーを飲んだ方がいい時間を把握する方が、パフォーマンスを発揮しやすくなるらしい。
体質や特質にどんどん名前がついていく時代だ。利用しない手はない。

しかし、クロノタイプにも私のやさぐれ睡眠サイクルは入っていなかった。
と、同時に気付いたことがある。

ぶっちゃけ問題無し、ということだ。
ここ何年も、肌や腸の調子はいいし、メンタルの浮き沈みもほとんどない。婦人科系の疾患はないし、何より例年以上に新しい仕事に多く取り組めている。

だからといって「規則正しい睡眠がいいってのはうっそよね〜ん」という結論に持ち込みたいわけではない。何型だろうが、規則正しい(夜型なら夜型・朝型なら朝型で)睡眠がいいに決まっているのは新説でも動いていない。

ただし、そこからもはみ出している私の場合、流動的な睡眠サイクルが叶う生活を送っていることの方が重要だったぽいということだ。

それならば「私の睡眠はずっと不安定な睡眠サイクルで安定している」と言えるからである。

学生時代と会社員時代は当然朝から夜にかけて活動していたわけだが、今思うと、真っ昼間の12時が深夜の0時にあたる週間なんかはしんどかった。
ランチの後、この世の終わりかと思うほど眠くなっていたのだが、血糖値の問題だけではなく、(私にとっての)深夜にカルボナーラを食べたらそりゃ世界の終わりになるってものだ。

(私にとっての)就寝時間に寝ることが叶わずに働くのだから、理解力が乏しく、ミスが多かったし、メンタルの浮き沈みが今よりあった。そして、休日は寝溜めだ。

それでは、会社員ではなくなった今はどうだろう。
どんなサイクルがこようと寝る時間以外に活動すればいい。シンプルで快適な生活である。※とてつもなく忙しい時はそうもいかないが

正直、ぱっと見はこれ以上ないぐらい「ぐっちゃぐちゃな生活」に見えるだろうし、自分でもそう思っていた。
睡眠時間が不規則だと、仕事をする時間、食べる時間、お風呂に入る時間も漏れなく流動するので、尚更である。生活のパッと見としては非常に乱れているのだが、やはり実質的にさして問題は起きていない。
その不安定さに沿った生活環境を作れるかどうかが安定の鍵、だったのだ。

会社員じゃなくなったからと言って、ここまで好きな時間に寝て好きな時間に起きれるというわけではないだろう。だから、それが叶うための最低限の努力と工夫はしていると添えておこう。

一つの地に定住し畑を耕すことが合う民族もいれば、放牧地の草木が無くなったら次の場所へ移動する遊牧民もいる。
クロノタイプには、私の睡眠サイクルは含まれていなかったので、自分で命名しようと思う。
24時間のうちぐるぐると就寝時間が流動する遊牧眠タイプだ。私の睡眠はノマドスタイルなのだ。

時の人、成田悠輔博士も、睡眠サイクルはランダムで朝5時に起きてることもあれば14時間寝続ける時期もあると言っていたので、成田博士スタイルでもいいかもしれない。

言葉は使いようにとって本当に便利で解釈一つで物事が反転する。利用しない手はない。
乱れも続けばサイクルになるし、不安定さを一定に支えられるものがあるならタイプになる。
これからいつ寝ているのか?という質問を受けたら、堂々と遊牧眠タイプ、もしくは成田博士タイプと答えていこうと思う。